こんな本に出会いました。
実に33年前の本です。
妊娠中から老年期までの、主婦たちの心身の悩みの症例に対し、
精神科医が解説をしている本です。
不妊、
産後うつ、
夫婦不仲、
仕事と家庭の両立、
子の不登校、
家庭内暴力、
空の巣症候群、
生きがい喪失、
更年期障害、
健康管理・・・。
各世代の、女性の心の問題を網羅しています。
33年前といったら、現在、60代から100才超えている女性たちの
当時の心の叫びです。
しかし、
『今、こんなことでは悩まない』
ということがひとつもなかったです。
何も問題は解決していないのです。
スマホがあろうが、AIが台頭しようが、
33年くらいじゃ、人間の心はまったく変わらないのだな、と思いました。
特に印象に残ったのは、当時は人生80年時代、と言われていたということ。
80才なんか易々と超えてきていますよね、日本女性は・・・。
こんな風に書いてありました。
『人生80年時代突入。
1940年には、女性平均寿命は59才くらいで、1957年には、67才。
1988年の今、それが80才に近づこうという今、
子育て後の人生があまりにも長い。
だから、生きがいが必要なのだ。
子育てを生きがいにすると、達成した後で、目的を失ってしまう・・・』
・・・とありました。
2020年発表の日本女性の平均寿命は87.45才。
33年も経つと、本当にこんなに伸びるのですね。
現在は、『人生100年時代』と言われています。
私はそれを、まやかしのように感じていました。
年金がないから、働かせようとして、
そんなことをことを言うのでしょう?と。
違いますね。どうやら本当に、あと30年もしたら、
それは現実になってくるのかもしれません。
高齢者が健康維持のためにジムに通ったり、
暗記をしたりする姿を見て、
『すごいなぁ』言っている場合ではない。
『人生100年』を自分ごととして『お前だよ。お前』と
自分に言いたくなったのでした。
そう、我々、50を超えたくらいで、びくびくしたり、
更年期だの、子離れだの、言っている場合じゃなさそうです。
子育てが終わった後も、健康で生き生きと過ごすためには、
『生きがい』が必要である、とこの本は33年も前から訴えています。
また、夫婦円満の秘訣として、
夫婦は依存しすぎないで、お互いに他人として尊重し、遠慮しながら
生きがいを持って生活すると良い、ともあります。
しかーし、この本、
お互いに他人として尊重し、といいつつ、
夫婦の性生活についての記述があまりにも生々しいです。
思春期の少年がエロ本を隠していたように、
私もこの本を、隠れて読んでいます。
そのくだりは次回ゆっくり書きたいと思います。